ソーダロンのブログ

読んでも何のタメにもならないけど、良い暇つぶしになるような記事を書きます

エリートいぼ痔

ち○こ

いきなり下品な言葉から入ってしまってすいません。

この記事は「いぼ痔」について書いた非常にセンシティブな備忘録となるので、文章の頭にいぼ痔以上に下品な言葉を書くことによって、この後の文章で頻出する
「いぼ痔」に対しての皆さんの感覚を麻痺させる効果があります。



では気を取り直して



皆さん「いぼ痔」って知ってますか?



Q.いぼ痔ってなんなの?🤔

A.いぼ痔(痔核)は、その名のとおり、肛門にいぼ状のはれができる状態です。歯状線をはさんで肛門の内側にできるものを内痔核(ないじかく)、外側にできるものを外痔核(がいじかく)と呼びます。
主に排便時のいきみや便秘などによって、肛門部に負荷がかかることで直腸肛門部の血液循環が悪くなり毛細血管の集まっている静脈叢(じょうみゃくそう)がうっ血して、はれ上がることで起こります。同じいぼ痔(痔核)ですが、できる場所に違いがあるため、その症状は異なります。

ボラギノール公式HPより抜粋

こんな画像がついて説明されてました。

断面図ってなんかエッチですよね


なんだか小難しい専門用語だらけで分かりにくいと思うので、皆さんがイメージしやすい様に一言であらわすと、いぼ痔とは
「肛門に巣食う悪魔」はたまた「校門の前にいる登校指導の教師」といった感じです。

要はめちゃくちゃ鬱陶しい存在ってこと。

物心がついた頃には僕の肛門には「いぼ痔」がいた。大げさではなく、本当に昔から彼は僕の尻に当たり前のように存在していたのだ。

少なくとも小学校低学年の頃には僕の肛門にポッコリしたいぼ痔ができていたのを記憶している。これだけ付き合いが長いともはや幼馴染みたいなものである。

彼と出会ったばかりの頃は、うんこをする度に出血し、トイレットペーパーを赤く染めあげるそのメンヘラ加減を疎ましくも思っていたが、しばらくするとその痛みにも、シャアザクのように紅く染まるトイレットペーパーにも慣れていき、喧嘩ばかりだった僕と彼との間には奇妙な友情が芽生えていた。

ゾロとサンジが普段は歪みあっているのにいざ戦闘となるとお互いの実力を認めあっているように、互いに一目置く存在となっていった。

今では彼のことを親しみを込めて「イボッち」と呼んでいる。

イボッちとは長い付き合いだが、僕と彼はあまりパーソナルな話はしない。イボッちの好きな食べ物、どんな音楽を聴くのか、休日は何をして過ごしているのか、どんな女性がタイプなのか。そういった情報を僕はなにひとつ知らないのだ。

10年来の仲なのにこのままではマズイ。
そう思った僕はGoogleで彼のことについて調べた。今更本人に直接聞くのは照れ臭かったからである。


Q.いぼ痔ってどのぐらいの人にできるものなの?🤔

A. 調査方法によって異なり、人口の4~55%の人にできているとされています。男女差はありません。 年齢は45~65歳が最も高く、20歳以下では稀と報告されています。

川越駅前胃腸•校門クリニックHPより抜粋





‥‥‥‥‥‥?????????????????????????????????????




戦慄した




僕の目がおかしくなっていなければ、20歳以下でのいぼ痔の発症は「稀」と書いてある。

少なくとも10歳の頃にはケツにできていたんだが?????????

とんでもない怪物を肛門に宿しているのかもしれない。
大便をする度にうっかりトイレットペーパーに血を付けてしまう、あのおっちょこちょいなイボッちが?20歳はおろか、10歳ではすでに僕の肛門に存在したことを考えると、彼はとんでもない逸材。

言うなればいぼ痔のエリート戦士
「エリートいぼ痔」だ。

そのうち仲間のいぼ痔を引き連れて僕の肛門を侵略しにくるのではないか。そんな不安と恐怖に駆られた。

ネットで『いぼ痔 放置 危険性』と検索してみた。
すると、僕と同じいぼ痔を肛門に宿すもの、いぼ痔ホルダー達の様々な経験談が次々にヒットした。


・痛みがなかったため放置をしていたら、突然耐えがたい激痛に襲われ座っていることもままならなくなった。

・いぼ痔が肥大化し、排便が非常に困難になった。

・大腸癌になった





冷や汗が止まらない






もはやイボッちは文字通り僕の体の一部。

寄生獣のミギー、ナルトの中の九尾、もとい九喇嘛。つまりは一心同体。

第一印象は最悪。無愛想だしトイレットペーパーに血はつけるはうんこするたびに擦れて痛むはで僕たちは歪みあってばかりだった。
しかし自分の肛門にできてしまったものは仕方がない。自分の尻は自分で拭くしかなかった(上手いですね)。

初めは距離があったもののお互い徐々に心を開いていった。

彼との思い出が走馬灯のように駆け巡る。

僕がヤンキーに絡まれた時には肛門から飛び出しヤンキー達を返り討ちにしてくれた。好きな子に告白し振られた時なんかは何も言わずそっと肛門に収まっていてくれた。将来の夢を語りあったあの夜、自分の無力さに打ちひしがれ強くなると誓ったあの日々。同じ釜の飯を食い、酒を酌み交わした。

あいつは俺のことを「ウスラトンカチ」
そう呼んでたっけな。


そうしていつしか


僕にとって彼は、最も‥‥‥



親しい友になった‥‥





しかしこんなリスクがあることを知ってしまったらもう今までのようにはいられない。

急いで僕は家を飛び出した。向かう先は薬局。

慌てていたため上着を着てくるのを忘れてしまった。だが不思議と寒さは感じない。

だんだん忙しなくなる胸の鼓動と反比例し頭の中は恐ろしいくらいに冷たく、そして静かだった。

いつかこんな日が来るのではないか、以前からそう思っていたのかもしれない。
その度に無理やり頭の片隅に追いやり、思考を止めていたのだ。

目的地に近づく。彼との別れも近づく。

薬局に着くと僕は目当てのものを探しに商品棚へと足を運んだ。

ソレはすぐに見つかった。目の覚めるような黄色のパッケージが目を惹く。

手に取ろうとして一瞬躊躇う。

「覚悟は、決めたはずだったんだけどな‥‥‥」

自分の意思の脆弱さに思わず口元が歪む。

今ならまだ間に合うんじゃないか。今ここで引き返せば、イボッちとの平凡でささやかな日々が続くんじゃないか。

そんな考えが頭をよぎりそうになる。


いや、だめだ。


もうあの頃にはもどれない。

僕は肛門を引き締め、ソレを手にとりレジへと向かう。

そして店員にこう告げた。




ボラギノール、ください」





涙が頬を伝っていた。

あの日からトイレットペーパーが赤く染まることは、二度となかった。