ソーダロンのブログ

読んでも何のタメにもならないけど、良い暇つぶしになるような記事を書きます

【ブラック部活】中学バスケ部とストックホルム症候群

これは僕が中学生の頃の話。


小学生の頃に体育の授業でやったバスケが楽しかったからです。というとてもシンプルでピュアピュアな気持ちで僕はバスケ部に入部した。


バスケを始めるにあたって、全バスケットボールプレイヤーのバイブルであるスラムダンクを入部前にしっかりと読破していた僕は

安西先生‥‥!!バスケがしたいです‥‥‥」

の名言でおなじみ、頼れる3Pシューター三井寿のようなプレイヤーになる!!と意気込んでいた。
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・怪我が原因で選手生命を絶たれ、グレてた時の三井寿


この後、中学に上りたてのハナタレ坊主だった僕は「部活」というものの厳しさを知ることとなる

* 理不尽な厳しさを振りかざす女顧問

僕たちのバスケ部は齢50代半ばといった初老のいかつい女体育教師の顧問が支配していた。

この顧問というのがゴリゴリの体育会系マインドの持ち主で、練習前の挨拶が少しでも揃っていなかったり、声が小さかったら何度でもやり直し、だらけた姿を見せようものなら常に首からぶら下げている愛用のホイッスルを吹き散らし練習を止め、ブチギレ説教をかました後、指導を放棄し職員室に帰っていくなんてことがザラにあった。

もちろん顧問がいなくなった後そのまま部活を続ける訳にもいかず、部員全員で許しをもらえるまで何度でも頭を下げるハメになるのだ。


これからバスケ部時代、特に心に残った理不尽エピソードBest3を発表していきたいと思う。

第3位 正座をした状態で顔面を扇子で引っ叩かれる


”シンプルに体罰

試合で敗北をしたことがよほど気に触ったのか、体育館裏に試合にでたメンバー全員が呼び出され、横っ面を扇子で殴打された。
こんなこと今やったら一発で教育委員会ものである。痛みが引くのに1週間かかった。


第2位 弁当に入っている卵焼きをカツアゲしてくる


”大人のすることではない”

部員の弁当の中に卵焼きが入っているのを見つけるや否や「私は卵焼きに目がなくてねぇ」と一言放ち、卵焼きをカツアゲしてくる。
中学生にとって、弁当の卵焼きは命より大事なもの。これを奪われることによってその後のメンタル、試合でのパフォーマンスに大きな影響を及ぼした。


第1位 連帯責任のペナルティとして漢字二万文字を書かされる


”腱鞘炎になるかと思った”

「夏休みの第1週目までに宿題を全て終わらせ私に提出しなければ練習に参加させない」

夏休みスタートに浮かれる当時中学1年生だった僕達の心は、突如言い渡された顧問からの無慈悲な課題により夏空の彼方に消えていった。

「どう考えても理不尽で1ミリもやる意義の見出せない課題だが、あの顧問のことだ、もし宿題の提出が間に合わなかったりしたらもっと酷い目に合わされるに違いない」

瞬時にそう悟った僕たちは、プールに花火にBBQといった夏休みお楽しみイベントを全て返上し、死にもの狂いで宿題に取り組んだ。
その努力の甲斐があってほとんどの部員は1週間以内に宿題を終わらせることができたが、数人は期間内に間に合わないものもいた。
まあ本来1ヶ月以上をかけてこなしていく量なので、できない奴がいてもしょうがない。とどこか人ごとに思っていた矢先、顧問は僕たちにこう言い放った。


「全員達成できなかったのはお前達みんなの責任だ、よって連帯責任として、1人漢字2万文字書いてこい」







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理不尽 of the year 2010 が決定した瞬間であった。


なぜ連帯責任なのか、なぜ漢字二万文字も書かなければいけないのか、なぜ地球は青いのか

様々な「なぜ」で頭が一杯になり、あまりの理不尽さに涙が溢れたが、純真無垢だった当時の僕たちは言われるがままに漢字2万文字を書いた。書いて書いて書きまくった。


鉛筆も心も折れかけていた


*出どころ不明の噂


そんなヒトラーもびっくりの独裁政権のもと、日々を生きていた中学2年生の3学期の頃、突如部内でこんな噂が流れ始めた。


来年の4月から顧問が新しく変わるらしい


春といえば出会いと別れの季節、一般的に毎年4月になると何人かの教師はいなくなり、そして新しい教師が何人か入ってくる。

つまり、今年の3月いっぱいで鬼顧問はいなくなり4月からは新しい教師がバスケ部の顧問になるというのだ。




圧政からの解放である




スパルタクスに導かれた奴隷達もこんな気分だったに違いない。
この知らせを受けた僕は大急ぎで仲の良いバスケ部員にこの事を伝えた。


「あの鬼顧問がいなくなる!!!俺たちは自由だ!!!」

今日という日はなんて素晴らしいんだ!!お前ら宴の準備をしろ!!浴びるほどライフガード飲もうや!!





そうはしゃぐ僕とは裏腹に友人達の反応は意外なものだった。

「え、そうなんだ。まぁあの先生も悪い人じゃなかったし、理不尽な事いっぱいされたけど俺たちのこと思ってのことだったと思うし、ちょっと残念だなぁ」
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突然だが皆さんはストックホルム症候群という言葉をご存知だろうか

ストックホルム症候群

誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、犯人に過度の連帯感や好意的な感情を抱く現象。ストックホルムシンドローム
[補説]1973年にストックホルムで起きた人質立てこもり事件で、人質が犯人に協力する行動を取ったことから付いた名称。  
引用元:コトバンク


正にこの状態である

友人達は3年間という長い時間、鬼顧問のもとで部活を続けていくうちに前述したような極限下でのみ確認される精神状態に陥っていたのである。





怖くなった僕はすぐに体育館を飛び出した。
もう僕の知っている彼らはいなくなってしまったのだ。そう思うと涙が溢れていた。




結局この噂はデマであり、僕たちが引退するまで鬼顧問の独裁政治は続いた。

この3年間で学んだことといえば、人間はどんなに劣悪な環境でも数ヶ月あれば適応できるということと、場を収めるためには心を殺して頭を下げることも必要だということ。



いずれも社会人1年目の今役に立っている



顧問の理不尽な指導にうんざりしているみんな!!そんな部活さっさと辞めちまったほうがいいぞ!!


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